日本のポップ・カルチャーや生活文化が、世界の若者にクール(かっこいい)と受け止められてから10年近くが経ちます。マンガ、アニメに対する世界の高い関心は、2009年、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで開かれた国芳の大回顧展「KUNIYOSHI」での熱狂につながりました。江戸後期の激動する世相をビビッドに映し出した滑稽で刺激的な歌川国芳(1797―1861)の浮世絵は、従来の日本的な美の規範をはるかに飛び越え、世界の人々が、好奇のまなざしを注いでいます。
この講座では、国芳が尊敬した葛飾北斎や、同じ歌川派のライバル、歌川広重の作品との比較を交えつつ、国芳の独創的でモダンな作品を、豊富なカラー画像を使って紹介。「没後150年 歌川国芳展」の見所も平易に解説します。
猫や金魚を擬人化して描いた可愛くて面白い動物絵の数々は、国芳の独擅場です。激動する幕末の世相を、痛快な錦絵で切り取った躍動する絵画世界。クール・ジャパンの先駆者の奇想天外な浮世絵の魅力に迫ります。