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クラブニッキィイベント 1月25日開催 特別鑑賞会「没後150年 歌川国芳展」@森アーツセンターギャラリー

奇想天外で斬新! まさに江戸時代のグラフィックデザイナー

 “奇才”と称される江戸時代の浮世絵師、歌川国芳(うたがわくによし)。没後150年を記念して、過去最大規模の展覧会が開催されました。ダイナミックな武者絵や、猫や金魚を擬人化した洒落(しゃれ)のきいた戯画など、代表作から初公開作品まで、展示総数はなんと約420点。俳優・山本耕史さんのナレーションによる音声ガイドを片手に、ニッキィ会員200人以上が国芳ワールドを楽しみました。

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■国芳が生きた江戸後期は浮世絵の黄金時代

──庶民文化が花開く江戸のど真ん中で国芳、誕生

 歌川国芳が生まれたのは1797年(寛政9年)。ヨーロッパではフランス革命後の混乱が続き、米国では第2代大統領ジョン・アダムズが就任した頃。江戸時代の日本は、第11代将軍徳川家斉の世で、商人の経済活動が活発になり、庶民文化が花盛りを迎えようかという文化・文政の前夜です。そうしたなか、日本橋の染物屋に国芳は生まれ、12歳で浮世絵の世界に入ります。

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山本耕史さんの音声ガイドは、時折、国芳の弟子に扮(ふん)した粋な台詞(せりふ)まわしが入る趣向。ニッキィ特典として無料で楽しめました

──浮世絵全盛のなか、30歳でブレイク

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写真の一番左、後ろ姿が国芳。羽織やはっぴを着流し、まるで鳶職人のような粋な江戸っ子だったそうです

 江戸後期は、浮世絵の黄金時代。美人画で知られる喜多川歌麿、錦絵で一世を風靡(ふうび)した東洲斎写楽、『富嶽三十六景』の葛飾北斎、そして国芳と同年でのちに『東海道五十三次』で名を馳せる歌川広重らが活躍。人気浮世絵師たちがひしめくなか、国芳がようやく脚光を浴びたのは1827年(文政10年)のことでした。名もない国芳に加賀谷という版元が目を付け、当時ブームになっていた“水滸伝(すいこでん)”をテーマにした『通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壹人)』シリーズが描かれます。国芳、30歳のことでした。晴れて人気浮世絵師の仲間入りをした国芳は、その豊かな画想とダイナミックなデザイン力で、独創的な作品を数多く手がけていくのです。

■洒落のきいた戯画の世界を遊んだ国芳

──横長ワイド画面のダイナミックな武者絵

 水滸伝シリーズで有名になった国芳は「武者絵の国芳」とも呼ばれました。武者絵とは、歴史や伝説などに登場する武将、英雄を描く浮世絵のひとつですが、彼は伝統的に描かれる実在の武将たちだけでなく、当時人気だった読本などに登場する架空の英雄たちも描きました。“大判三枚続”という、横長のワイド画面でダイナミックに描く大作も得意で、圧倒的な迫力と斬新なデザインが、江戸っ子たちを魅了しました。

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蘭書に銅版画で描かれた南国の景色を、雪降る忠臣蔵のクライマックスシーンに転化させた作品 『忠臣蔵十一段目夜討之図』

──オランダ本の挿絵をヒントに創作も

 浮世絵の代名詞ともいえる、役者絵や風景画も手がけた国芳。そこにも彼らしい独創性が垣間見えます。歌舞伎役者たちを描く役者絵では“見立(みたて)”の作品を多く残しています。見立とは、実際の舞台にはない架空の設定で、役者、配役、場面を想定して描くもの。見立の世界では、現実では演じられていない人気役者どうしの共演もかないました。風景画では、名所を描く北斎や広重らとは異なり、エキゾチックでシュールな作品を描いています。近年、そのアイデアの源泉に蘭書(オランダの本)の挿絵があることなどが明らかになり、話題を呼びました。西洋画にもおもしろみを見出しながら、近代的なアングルに挑んでいった国芳の姿が伺えます。

──大好きな猫をモチーフにした戯画は国芳の代表作

 そして、国芳の真骨頂ともいえるのが、戯画です。国芳の手にかかれば、猫、金魚、化け物や日用品までが擬人化され、ユニークな世界の住人になるのです。じつは、これには、当時の時代背景も影響しています。天保の改革による倹約や禁令により娯楽が規制され、絵師たちは人気役者を描くことすら禁じられてしまいます。すると、風刺を込めて役者の顔を魚や動物に置き換えて描くことが流行。その滑稽(こっけい)な戯画の世界で、国芳の豊かなイマジネーションがいかんなく発揮されました。

 なかでも、大好きだった猫をモチーフにした作品には傑作が多く、海外でも所蔵されるほど。今回の展覧会では、これまで世界に分散していた3枚組の作品『たとゑ尽の内』が、初めて勢ぞろいし公開されました。

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複数の裸の人物を組み合わせて人の顔を描いた、国芳の代表作のひとつ『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』。会場には、国芳が描いた猫たちがいたるところでまどろんでいました

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